この記事は、The Running DietitianのAmyが執筆しました。
日々の栄養摂取は、ランニング中のコンディションや回復に大きく影響します。 継続的にバランスの取れた食事や間食を摂ることで、エネルギーレベルや回復、そして健康全般を支えることができます。一方で、食事に対して厳格すぎたり制限が多すぎたりすると、疲労やモチベーションの低下、怪我につながることもあります。
持続可能な栄養アプローチでは、バランス、柔軟性、そして食事を楽しむことを大切にします。そうすることで、食事はランニングの妨げになるのではなく、ランニングを支えるものになります。 以下に、私たちからのアドバイスをご紹介します。
エネルギー摂取量&カロリー
簡単に言うと、カロリーはエネルギーの単位です。 呼吸や消化といった基本的な身体機能から、日常生活での活動、トレーニング、そして回復に至るまで、あらゆる活動を支えるエネルギー源となります。 ランナーは身体活動量が少ない人と比べて必要なエネルギー量が多いため、十分な量の食事を摂ることがトレーニングには欠かせません。
ランニングのトレーニング量やトレーニング強度が高まるにつれて、パフォーマンスと回復を支えるために、エネルギー摂取量も増やす必要があります。 ランナーに必要な総エネルギー量は、一般的に総消費エネルギー量 (TDEE) を用いて算出されます。
TDEEには以下が含まれます。
基本的な生理機能の維持に必要なエネルギー (基礎代謝量)
日常生活での活動や運動に必要なエネルギー
食べ物の消化や代謝に必要なエネルギー
この数値は、体格、トレーニング負荷、仕事による負担、ストレス、睡眠、そして遺伝的要因によって変動します。 そのため、必要なカロリー量はランナーごとに異なり、トレーニングサイクルの中でも変化します。
カロリーは、制限したり管理したりする対象として捉える必要はありません。 むしろ、パフォーマンスと健康の両方を支えるための燃料として考えることが大切です。 意図的かどうかにかかわらず、エネルギー補給が慢性的に不足すると、エネルギー不足やパフォーマンスの低下、病気にかかりやすくなること、そして怪我につながる可能性があります。
私たちはよく、身体を車にたとえて説明します。車は長い距離を走るほどガソリンを消費するため、燃料をより多く補給する必要があります。 ランニングも同じです。 走る距離が増えたり、トレーニング量の多い日や週に入ったりすると、それに合わせて身体の「燃料タンク」にもより多くのエネルギーを補給する必要があります。
トレーニングを支えるバランスの取れた食事の組み立て方
バランスの取れた食事には、主要栄養素と微量栄養素が含まれており、トレーニングや回復、そして健康全般を支えます。 特定の栄養素だけに注目するのではなく、まずは炭水化物、タンパク質、脂質、そして食物繊維を豊富に含む食品を取り入れた食事を組み立てましょう。 そのうえで、トレーニング内容や個人の好みに合わせて調整していくことができます。
炭水化物
炭水化物は、ランニングにおいて体が優先的に利用するエネルギー源です。 筋グリコーゲンの補給を助け、トレーニング強度を維持し、疲労感を軽減する役割があります。 食事や間食に炭水化物を多く含む食品を取り入れることで、1日を通して安定したエネルギーを維持しやすくなります。
炭水化物を多く含む食品としては、穀物、果物、でんぷん質の多い野菜、乳製品、豆類などがあります。 必要な摂取量はトレーニング負荷によって異なります。 1日1時間のトレーニングを行う場合は体重1kgあたり5~7g、1~3時間の持久系トレーニングを行う場合は体重1kgあたり6~10gの炭水化物が必要です。
タンパク質
タンパク質は、筋肉の修復と回復において非常に重要な役割を果たします。
タンパク質は、1回の食事でまとめて摂るよりも、食事や間食に分けて摂取する方が、筋肉の修復や回復をより効果的に支えることができます。
定期的にランニングを行う人は、タンパク質の必要量がやや増えます。特に走る距離やトレーニング強度が高まる時期には、その傾向が強くなります。 ランニング後は、20~40gのタンパク質を摂取することで、回復や筋肉の修復を支えることができます。
日常的には、多くのランナーにとって体重1kgあたり約1.6~2.2gのタンパク質を摂取することが推奨されます。必要量は、トレーニング量が多い時期ほど増える傾向があります。
脂質
脂質は、ホルモンの生成や栄養素の吸収、そして全体的なエネルギー摂取において重要な役割を果たします。 また、脂質は食事の満足感を高め、食事を楽しむことにもつながるため、無理なく継続しやすくなります。
健康的な脂質源としては、ナッツ類、種子類、植物油、アボカド、脂の多い魚などがあります。
ランナーだからといって脂質を避ける必要はありません。脂質は、バランスの取れた毎日の食事において大切な要素のひとつです。
食物繊維
食物繊維は、バランスの取れた食事に欠かせない栄養素です。消化や腸内環境の健康を支えるほか、食事と食事の間の満腹感を保つことで、1日を通して安定したエネルギーを保つのにも役立ちます。 十分な量の食物繊維を摂取することで、消化機能の改善や慢性疾患のリスク低減につながる可能性があります。
果物、野菜、全粒穀物、豆類、ナッツ類、種子類などを組み合わせて摂ることで、必要な量の食物繊維を摂取しやすくなります。
一方で、食物繊維はランニング前に摂取すると、一部のランナーでは胃腸の不調を引き起こすことがあります。そのため、この栄養素に対する体の反応をよく観察することが大切です。
微量栄養素
ビタミンやミネラルなどの微量栄養素は、骨の健康、酸素の運搬、筋肉の収縮、そして免疫機能を支えます。
ランナーは、鉄、カルシウム、ビタミンDなどの栄養素をより多く必要とする場合があります。
鉄
鉄は、筋肉に酸素を運ぶ必須栄養素であり、有酸素能力や持久力において重要な役割を果たします。 鉄が不足すると、疲労感や息切れが生じたり、パフォーマンスが著しく低下したりすることがあります。
ランナーは、発汗による損失や、繰り返しの着地衝撃によって赤血球が破壊される足底溶血、さらに人によっては月経の影響により、鉄欠乏のリスクが高くなります。 赤身肉、鶏肉、魚介類、卵、豆類、レンズ豆、ほうれん草、鉄分強化シリアルなど、鉄分を豊富に含む食品を日常的に取り入れることで、こうした損失を補い、健康的なエネルギーレベルや持久力の維持に役立ちます。
カルシウム
カルシウムは、ランナーの骨の健康において重要な役割を果たします。 ランニングでは骨に繰り返し衝撃が加わるため、十分なカルシウムを摂取することで、骨密度の維持や疲労骨折のリスク低減につながります。
カルシウムは、十分なエネルギー摂取やビタミンDなどの栄養素と組み合わせることで、骨の再構築を促し、長期的な骨の健康を支えます。特にトレーニング量が多い時期には重要です。 乳製品、カルシウム強化食品、葉物野菜、一部の魚など、カルシウムを豊富に含む食品を取り入れることで、必要な量を摂取しやすくなります。
微量栄養素やサプリメントについて詳しく知りたい方は、こちらのガイドをご覧ください。
間食:食事と食事の間のエネルギー補給
間食は、特にトレーニング量が多いランナーにとって、エネルギーレベルを維持するうえで重要な役割を果たします。 間食は悪いイメージを持たれがちですが、多くのランナーにとって、増加したエネルギー需要を満たすために欠かせないものです。
計画的に間食を取り入れることで、食事の間隔が空きすぎるのを防ぎ、1日を通して安定したエネルギー補給を続けやすくなります。 間食には、エネルギー補給や回復を支えるために、炭水化物に加えてタンパク質や脂質を組み合わせるのがおすすめです。
毎日の水分補給
水分補給は、血液循環、体温調節、消化、そして全体的なパフォーマンスを支えます。
ワークアウトの前後や最中には水分補給が重視されがちですが、ワークアウトを行わない日でも、毎日の水分摂取は同じくらい重要です。
日常的な水分補給は、ほとんどの場合、水で十分です。ただし、暑い環境でランニングを行う場合や発汗量が多い人、あるいは長時間のトレーニングセッション中には、電解質の補給が役立つことがあります。
電解質は、汗によって失われるナトリウムなどのミネラルを補給するのに役立ちます。また、環境条件が厳しい場合やトレーニング量が多い時期には、体内の水分バランスを維持するうえでも役立ちます。
主なポイント
日々の栄養摂取は、ランナーのコンディションやトレーニング、そして回復に大きな影響を与えます。 十分な量の食事を摂ること、バランスの取れた食事を心がけること、水分補給を行うこと、そして間食を取り入れることは、継続的なトレーニングと長期的な健康を支える土台となります。
トレーニング週間に合わせて栄養摂取を調整し、より良いコンディションを保つための方法について詳しく知りたい方は、トレーニング週間の栄養補給ガイド (How to Fuel Your Training Week) をご覧ください。
ランニングセッションの前後や最中の栄養補給について詳しく知りたい方は、栄養ハブをご覧ください。





